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振りめば奴がいる Vol.2


振り込めば奴がいる第二局


平賀先生:「むちゃくちゃカンドラがのるんだよ,あの男は!! とにかく・・・俺はぁ,おりる」




が何でも用意しろ! No.011
TV 最終回 by wahei


 司馬がオットー星野とテレフォン麻雀をしている.南場に入り司馬は即効テンパイ,リーチをかけていた.

司馬先生 「ロンだ・・・」

オットー星野 「!?」

司馬先生 「マンガンだ!」

オットー星野 「っ!?」

司馬先生 「南は南ダブ,リーチ,シロ!!」

ガチャッ!!

・・・司馬はこの後もたらされるであろう8000点の到来に心躍った.



つまでしけた・・・ No.012
TV 第6回 by wahei


 石川は,おばあちゃんにハコらされたことが頭から離れず,それ以来,牌を切るのに非常にナーバスになっていた.どの牌を切っても放銃するのではないか,という不安感に悩まされ,いつしか守り主体の打ち筋になっていた.そうなると,消極的になった石川の手牌に良いツモがくるはずもなかった.そんな石川に司馬の容赦の無い声が追い討ちをかけた.

司馬先生 「いつまでしけたツモ(面)してるんだ?」

石川先生 「・・・」

司馬先生 「そんなにみんなに同順(同情)してほしいか?」

石川先生 「・・・・・・」

司馬先生 「みんな,手(腹)の中じゃ張ってる(笑ってる)のが分からないか?」

石川先生 「・・・・・・・・・」

司馬先生 「雀師やめろ・・・」

石川先生 「!?」

石川は抑えていた怒りを鋭い視線にして司馬にぶつけたが,司馬はあくまでも冷静だった.

司馬先生 「そんなミエミエな捨牌に・・・勝負かける奴がいるか?」

そういって,司馬は中張牌しか捨てられていない石川の捨牌を一瞥した.

司馬先生 「やめろ・・・」

 動揺して震える声で答えた石川の手の内は,明らかに国士無双であった.ツキの無さでヤオ九牌しか引けないことを逆手にとった,石川の渾身のテンパイがそこにあった.しかし,司馬は,場の雰囲気から,石川がテンパイしているのは明らかであったのにもかかわらず,躊躇もせず南を打牌したのである.

石川先生 「!?」

ミエミエと言っておきながら危険牌を打牌した司馬に対し,石川は驚愕した.しかし,彼は自らの手牌を倒すことができなかった.石川は『西』待ちであった.

石川先生 「・・・違う」

手に汗を握りながら打牌しつつも,終始ポーカーフェイスの司馬であったが,やや安堵の表情を見せて口を開いた.

司馬先生 「南・・・は違うんだ?」



番嬉しいよ,俺は No.013
TV 最終回 by wahei


司馬先生 「おまえに,哭かせなかったことが一番嬉しいよ,俺は」

司馬は,親になった石川に対し,完膚なまでに牌の絞り込みをおこなったのである.

石川先生 「北家が親に牌を絞るのは当然の義務だっ・・・ふぅー」

石川は少なくなってきた点棒を見て思わずため息を漏らした.子のときにアガれなかった分,親のときに挽回しようという目論みが見事に外れたのである.

司馬先生 「君に恨みはない・・・」

司馬先生 「僕は・・・ん゙ん゙っ」

咳払いを一つすると,司馬は腕時計を見て帰り支度をはじめた.

司馬先生 「もうすぐいなくなるので,代打ちは峰クンに任す」

チラリと峰を見ると,司馬は言葉を続けた.

司馬先生 「峰クン」

峰先生 「はい・・・」

司馬先生 「(石川が)トンだ時は採譜して,研修雀師に見せてあげてください」

ケースワーカ 「んふふ,言うねぇ」

司馬先生 「そいじゃ・・・」

司馬は席を立つとこれまでの負け分を支払うようにと,石川に請求の手を伸ばした.




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