シェーンコップ |
「麻雀評議会議長,ジョアン・レベロ閣下ですな?」
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ジョアン・レベロ |
「君は誰だ? こんなところでなぜアガル?」
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シェーンコップ |
「わたしはワルター・フォン・シェーンコップ.たった今,あなたをハコテンにしたところです」
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ジョアン・レベロ |
「君の勇名は,常々耳に親しんでいる」
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シェーンコップ |
「それは,それは恐縮の極みですな・・・」
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ジョアン・レベロ |
「なぜ,このような暴挙にでたのだ?」
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シェーンコップ |
「お言葉ですが,暴挙とはあなたの振り込みようでしょう.わたしたちのことはおいてもヤン・ウェンリーへの振り込み方が公明正大であったと,ヤミでハッてアガルことができますかな?」
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ジョアン・レベロ |
「言いづらいことだが,麻雀の勝敗とは一回のアガリというレベルで語りうるものではない」
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シェーンコップ |
「一回のアガリを手にするために,半荘に総力をあげるのが雀士というものでしょう.ましてや,ヤン・ウェンリーが,あなたのために貢献してきた過去を思ってもごらんなさい」
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ジョアン・レベロ |
「わたしの心が痛みを覚えないとでも思っているのか! 非道は承知している! 承知の上でわたしは他家の点棒を取らざるをえんのだ!」
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シェーンコップ |
「なぁるほど・・・あなたは良心的でいられる範囲では良心的な麻雀屋らしい・・・だが,結局のところあなた方,麻雀屋はいつでも切り捨てる側にたつ! 危険牌を切るのは確かに痛いでしょう.ですが,切り捨てられた危険牌からみれば,結局のところどんなテンパイも自己陶酔に過ぎませんよ.自分がアガルために危険牌を切って裏スジを通した.自分はなんと大胆で,しかも危険な雀士なんだ・・・というわけですか? "哭いて場風を切る"か, ふん! 自分が犠牲にならずに済むなら,いくらでも老頭牌が出ようってものでしょうなぁ!」
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ジョアン・レベロ |
「もはやなにを言っても自己弁護にしかならんな・・・ひとつだけ教えてくれシェーンコップ中将,君はこれから何をアガルつもりだ?」
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シェーンコップ |
「なぁに,ごく常識的なことですよ.ヤン・ウェンリーには悲劇の雀雄という役柄は似合わない.観客としては,点棒の清算を要求したいわけですよ.場風によっては力づくでねぇ・・・もっとも,すでに場風がのっていますがなぁ」
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