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銀河雄伝説 Vol.6



ヤン:「流し満貫だって,たいせつな役のひとつだよ,差別はよくない」



に斃れ @ No.051
Vol.09-p.197 by wahei


レッケンドルフ 「閣下ぁ!」

ロイエンタール 「騒ぐな,放銃したのは俺だ,卿ではない」



レッケンドルフ 「閣下,チョンボになります.誤ロンなさらないでください」

ロイエンタール 「心配するな.それより,点数と符計算を覚えてくれ.自分で放銃した点数を計算するのは,五回もするとむなしくなってくるのでな」



ロイエンタール 「ミュラーがドラを棄てて賞賛されたのは,親役満確定の渦中でテンパイをつづけたからだ.オリて逃げる身が,ドラのアンコまでも棄てたとあっては,オスカー・フォン・ロイエンタールの名は臆病者の代名詞になるだろうよ」



に斃れ A No.052
Vol.09-p.205 by wahei


メックリンガー 「・・・・・・ふたつの役,三色同順と一気通貫を,同一メンゼンに共存させるには,どうやら配牌数は少なすぎるらしい・・・・・・」


「グリルパルツァー,卿は雀師としても買出し係としても将来を期待された人材だ.初打ドラ切り,三色狙いをせずとも,いずれ,より高い役と点棒を掌中におさめえたであろうに,惜しむらくは,他人の注文に溺れ,自らの晩飯を忘れたな」


「卿は二重のチョンボを犯した.まず皇帝(カイザー)の手牌を倒し,次にロイエンタール元帥の配牌をギったのだ.更に,卿は自分ひとりの打牌から,上家に大三元の確定をさせてしまったのだぞ」


「裏ドラに頼ってアガることなど,皇帝(カイザー)がお望みになると思うか!」



に斃れ B No.053
Vol.09-p.209 by wahei


ロイエンタール 「単騎そうで何よりだ,高等参事官」

トリューニヒト 「総督閣下の放銃(おかげ)をもちまして」


ロイエンタール 「どこまでも不愉快な奴だったな.おれが生涯の最後に放銃した手が西単騎だったとは・・・不名誉な放銃を,おれにさせてくれたものだ」



に斃れ C No.054
Vol.09-p.212 by wahei


ロイエンタール 「じゃまをせんでほしいな・・・おれはハコるのではなく,ハコっていく.その過程を,けっこう楽しんでいるところだ.おれの最後の楽しみをさまたげんでくれ」

エルフリーデ 「おまえが自分自身の配牌に惚れてつっぱって,勝負して,みじめに放銃するところを見物にきたのよ」

ロイエンタール 「おれの親か・・・・・・?」

エルフリーデ 「お前のラス親よ」

ロイエンタール 「古代の,えらそうな奴がえらそうに言った言葉がある.とぶにあたって,ヤキトリの人間を巻き込む事がかなえば,人生最上の嫌がらせだ,と・・・・・・」

「とばすなら,いまのうちにとばすのだな.でないと永久にその機会を失う.役がないなら,おれのファン牌をギれ・・・・・・」

「おれには,もはや,とばされる価値すらなくなったとみえる・・・・・・」

ランベルツ 「あの女の方は買出しに行かれました.あの,この風牌をミッターマイヤー元帥にお渡ししてくれとのことでしたが・・・・・・どうしたらよろしいでしょう,閣下」

ロイエンタール 「すまんが,ミッターマイヤーがあがれるよう,送りをしてやってくれ.ああ,それとそそこの棚に新しい雀牌がはいっている.サイコロを二個だしてくれないか」

あの人も,トブときはノーテン罰符が払えずにトビました・・・

ロイエンタール 「とんだじゃないか,ミッターマイヤー・・・・・・卿があがるまでとばないつもりだったのに,まにあわなかったじゃないか.自風(ジフウ)ウォルフなどという,たいそうなあだ名に恥ずかしいだろう・・・・・・」



ゼルローン雀荘とその愉快な仲間たち No.055
Vol.#02-p.014 by Torünicht


"麻雀暦796年12月3日" Bパート

 イゼルロン雀牌とだけでなく,そこで打つ雀士とも対戦した.まず,イゼルロン雀荘の防御麻雀士であるシェーンコップ雀士という人だ.

 ワルター・フォン・シェーンコップ雀士は,30符ですこし稼ぐくらい,危険牌を振り込まない人だ.ただ,甘い人ではけっしてないような気がする.待ちのあわないやつ,スジをとおしてもむだなやつ,と思われたら,そのとたんにハコらされてしまうのではないか,と思う.

「ユリアン・ミンツとはお前さんか.ヤン店長から話は聞いているが,いずれは正式に雀士になるつもりか」

「ええ,雀士になりたいんです」

 軽蔑されたとは思わないが,シェーンコップ雀士の反応は皮肉っぽかった.

「雀士といっても,いろいろあるだろう.哭き打ちか,おれみたいな先行逃げ切りか,それとも固め打ちか.あいまいなことでは,ヤン店長だって迷惑だろうぜ」

 へたにリーチをかければ,簡単にはアガらせてくれないような気がして,ぼくは手牌で待ちを変えた.

「できれば,ヤミ打ちとか・・・」

「あの人にヤミ打ちで勝てるとは思えんね.あの人よりヤミ打ちにすぐれた雀士が,この雀荘のどこにいる? いるとしたら銀河雀荘のローエングラム店長ぐらいだろう.お前さんは,ヤン店長をヤミ打ちでハコらせることができるつもりかね」

 対戦している相手が子供だからといって,この人は容赦なく心理攻撃してくるのだ.ぼくは反射的に口三味線をひいた.

「で,でも大三元にだって小三元があるでしょう?」

 正しいたとえだったかどうかはわからないが,面白そうにぼくを見て笑った.

「なるほど.小三元は翻牌を含めて満貫あるしな」

 シェーンコップ雀士は,ぼくにスジ打ちと口三味線を教えてやると約束してくれた.わが雀荘で最高級のスジ打ちと口三味線の名手が,そう約束してくれたのだ.うれしいけど,さぞ厳しい授業になるだろう.そのていどは,想像がつく.あくまでも,実施されれば,だけど.


 初対戦の人ばかりではないのは,むろんのことだ.雀荘ハイネセンから別の麻雀船で到着した人々のなかには,ヤン店長やぼくにとって旧知の人がいた.

 そうやって再戦した人のなかには,ダスティ・アッテンボロー雀士がいる.雀荘アムリッツァでの敗戦でハコ下にならなかったかずすくない人のひとりだ.

「いや,あのときはもうだめだと思ったよ.こちらが一回アガル間に,他家は十三回ぐらいアガッてくる.アガリのすくないほうが配牌は乱れていて,ツモ牌の運用も混乱している.こいつは負けた,こんな情勢になって勝てるとしたら,麻雀とは甘いものだ,とつくづく思ったね」

 そのくせ,自分がハコテンするとは,この人はまったく考えなかったのだという.

「ひとり残らずハコテンするなんてことはありえないし,ハコらない人間がいるとしたら,おれだろうと思ったよ」

 いくらいばってもいいのだ.あのウランフ店長の第10半荘で文字どおりのハコテンをまぬがれたのは,この人の功績だとヤン店長は話してくれた.それは大胆で的確な打ち筋だったのだという.ヤン家にきてジュンチャンばかり狙っている姿からは想像もつかないけど.


 このほか,今日会ったオリビエ・ポプラン雀士とイワン・コーネフ雀士とは,ヤン店長が誇る二大ハコテン王だ.打ち筋はずいぶん違うように見えるけど,ぼくが見かけるときはたいてい二人いっしょだから仲がいいのだろう.

 字牌を見ると,ポプラン雀士はかならず哭きをかける.コーネフ雀士は字牌が出ても,めんどくさそうに即切りする.それぞれがひとりで行動しているなら,そんなに目立たないだろうけど,ひと組になると,本当に対照的だ.

「こいつはこの雀荘で二番めの名雀士なんだぜ.そうは見えないだろうけど」

と,ポプラン雀士は,コーネフ雀士の肩をたたいた.本当は何を言いたいのか,良くわかる.コーネフ雀士はぼくの視線をうけるとすまして答えた.

「ミンツ君に言っておくが,最高の雀士”哭きの竜”は射殺されて墓のなかだよ」

 やはり,いいコンビ打ちなのだろうとぼくは思った.ひょっとしたら,とんでもない誤解かもしれないが.



官は何歳だ? No.056
Vol.07-p.066 by Wahei


ビュコック 「貴官は何点だ?」

スール 「は? 27000点ですが・・・・・・」

ビュコック 「ふむ,残念だな,30000点以下の人間はプラスにはならんよ.ましてトップにはな」

スール 「そんな,閣下!」

ビュコック 「わしとしても,50符の符計算すらまともにできんひよっこに,二度も振り込んでしまってマイナスじゃ・・・・・・このまま西入してくれるといいのだが.あくまでも,万が一全員マイナスになったとしてだがの・・・・・・」

チュン・ウー・チェン 「30000点以上は端数100点は切り捨てでしたね.わたしは38000点です.トップをとれる資格があると思いますが・・・・・・?」



ラインハルト 「勝ち続けて,勝ち続けて,最後のチョンボが痛かったか・・・・・・」

ロイエンタール 「ナンバー2・・・か」



いつ,もう計算していたな No.057
Vol.01-p.051 by Wahei


ラインハルト 「次に左右どちらの牌を打牌すべきだと思う,キルヒアイス?」

キルヒアイス 「どちらを打牌してもテンパイすることは可能ですが,お考えは決しておりましょう?」

ラインハルト 「まあな」

キルヒアイス 「右方に位置する第六萬牌の方がアガれる可能性がすくのうございますね」

ラインハルト 「その通りだ」

キルヒアイス 「ミエミエの清一なので他家が警戒しているかもしれません,それだけがいささか心配ですが・・・・・・」

ラインハルト 「その恐れはない.それと察していれば可能な限り打牌を絞ってくるはずだ.合計すればまだわが点棒より遥かに優勢なのだからな.それをしないのは,わが役の意図をいまだに諒解していない証拠だ.清六翻隊を狙って勝負をかける.トップには何点ほど必要だ?」

キルヒアイス 「・・・40000点弱です」

ヤン 「その点数計算に訂正の余地はないのかい」

フレデリカ 「計算したすべての方法が,同じ結果を出しています」

ラインハルト 「・・・・・・!?」



を合わせますよ No.058
Vol.01-p.085 by Wahei


 アンネローゼのすんなりした優美な姿を部屋の奥に見出すと,ラインハルトはまだ完全には開ききっていない自動ドアを押し開き,小走りに駆け寄った.

ラインハルト 「姉上!」

アンネローゼ 「ラインハルト,よく来てくれましたね.それにジークも・・・・・・」

キルヒアイス 「・・・・・・アンネローゼさまもお元気そうで何よりです」

アンネローゼ 「ありがとう.さあ,ふたりとも座りなさい.あなたたちと打つのを何日も前から待っていたのよ」

 ああ,このひとはむかしと少しも変わらない----と,キルヒアイスは思った.その手牌の美しさ,清一狙いは,河底にいたるまで徹底していたものだった.

アンネローゼ 「赤五を入れましょう,それと花牌もね.新品の牌だから,あなたがたにガン牌できるかどうかわからないけど」

ラインハルト 「・・・・・・そんな事しませんよ」

 嘲笑しながらラインハルトが応じ,手頃な広さのその部屋には緊迫した雰囲気が漂った.牌の精霊がこの空間だけを10年前に戻したような錯覚を,若者たちはひとしく抱いた.
 牌の混ぜあう音,新緑色のテーブルクロス,山に積み込まれた飜牌・・・・・・早上がりの幸福のひとつの形がそこにあった.

アンネローゼ 「伯爵夫人ともあろう者が雀荘に立ち入るものではないとときどき言われるけど・・・・・・」

 流れるような手さばきで山を積みながらアンネローゼは微笑した.

アンネローゼ 「何と言われてもこれが楽しいものだから仕方ないわね.あまり全自動に頼らず自分の手で積むのがね」

 サイコロが振られ,ドラが返された.アリアリルールに裏スジの通らない相手,心が震えるような時が過ぎていく・・・・・・



風テンパイ No.059
Vol.09-p.037 by Wahei


ミッターマイヤー 「エヴァ!」

エヴァンゼリン 「ウォルフ,あなた,テンパりました?」

ミッターマイヤー 「まだテンパっていないよ.エヴァの捨牌を長いこと食べられなかったからな.鳴きの水準が低下してしまった」

エヴァンゼリン 「まあ,そのかわりイチ鳴きを我慢する水準は上昇なさったみたいね♪」



英伝小ネタ集 No.060
Vol.0?-p.??? by Wahei


ミュラー 「オリてなお,テンパれる者は賞すべきかな」
(Vol.07-p.137)


ミッターマイヤー 「ところで,どうだ,卿のあたらしい槓ドラのノリごこちは?」

ミュラー 「・・・極上です」
(Vol.07-p.034)


フリードリヒ四世 「ふむ,そちは無役だな」
「どうせ飛ぶなら・・・・・・せいぜい派手にハコるがよいのだ・・・・・・」
(Vol.01-p.149)


帝国三長官 「意外に無役ではないか」
「何の,形テン(かっこう)をつけただけさ」
(Vol.01-p.151)


4人の撃墜王 「あたるものかよ!」
異口同音にリーチした4名が豪語する.
(Vol.01-p.207)




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